ジョジョの奇妙な冒険 第三部 #47「DIOの世界 その3」
おことわり)
アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」 のレビューは
「原作準拠」の検証の意味も込め、コミックとの比較をするスタンスで書いています。
往々にして揚げ足取りの文章となるため
ファンの方には、しばしば不愉快な思いをさせることがあると思いますが、
筆者は決して悪意を持ってはいないことをご理解の上読み進めていただけると幸いです。
また、検証・認識の甘さから、的はずれなことを書くかもしれません。
その場合は、遠慮なくご指摘ください。
コミックス 27巻10章後半~28巻05章までに該当。
アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」のオープニングは、これまでも
シリーズの最終回に限り、
迫力あるSEが充てられた特別バージョンだったのだが、
まだ最終回には少し早い「今」、オープニングに大きな変化があった。
空白のラストページに、スタープラチナが拳を叩き込んだ直後
「世界ザ・ワールド」が現れ時を止め、(このとき伴奏も止まるという憎い演出
これまでは承太郎の背後にシルエットでのみ登場したDIOがッ
颯爽と登場!!
そしてラストは、オラオラ vs.無駄無駄ラッシュ
←これまでのバージョン
これまでのバージョンでは二人のスタンドの腕のみが描かれていたが
モノトーンで無味乾燥な、時が止まった世界に、鮮やかに彩づく二人の戦士
前回「世界ザ・ワールド」の能力の秘密が解禁されたので
満を持して完全バージョンに・・・というただそれだけではない、
ふたりだけの”世界”における、「運命の戦い」
すべてがそこに集約され帰結する、苛烈で壮絶なバトルの幕開け、そして終焉。
次回(おそらく最終回)はオープニングがカットされるのかもしれない。
全体にSEが入ったバージョンが作られないのは、少し残念な気もするが、
上記の演出のためには、
肝心のシーンまでは通常通りのオープニングの方が効果的だ。
この上すべてにSEを充てるのは、蛇足とすら思える。
今回一回限りに違いない、
この特別版のオープニングを見逃すな!!
Don’t miss it !!
※06月20日追記・・・そのまさに「蛇足」ありましたわ・・・なんかスマンス
血の因縁に決着をつけるため、
常識で測れない速度と威力で打ち合う二人の間に衝撃波が発生。
原作でまったくの謎だった、
DIOはともかく承太郎の身体が浮かび上がる現象の理由として
決して科学的ではないが、何がしかの考証がなされた様子だ。
まぁ、このあとは承太郎も黄金のオーラを発し、
DIOと同様、舞空術(?で飛び回るようになるのだが、
「世界」と同質の能力に急速に成長している表現として受け入れよう。
止まった世界を・・・
動き始めたスタープラチナ。
千切れた足がくっつくのはいいとして、
なぜだか元通りになるDIOのズボン&黒タイツ・・・
いかな人智を超越した超生物だとしても、
これには全くもって納得がゆかないが
このあとDIOに半ズボンで戦われるより視覚的にマシ
・・・と納得するしかない。
DIOが放った無数のナイフ。
ジョセフと同じ方法で、しかしそれより数段無慈悲で残酷な、
それでいて、スタープラチナが止まった時をどれだけ動けるのかを
試すこともできるという、
いかにもDIOらしい外連味たっぷりの処刑方法だ。
「見えていることが逆に恐怖」
止まった時の中で、物事を認識できたり、思案したり、
眼球を動かすことは、「動ける」ことにカウントされないらしい。
なんでやねん。
時が止まっていれば、血液は流れないし、心臓も脈を打たない。
脳のシナプスにも電気信号は流れない。
当然「止まっている」「動けない」と気付くことなどない。
この承太郎は、身体こそ一瞬しか動かせないが、
明らかに止まった時の中を「動いている」じゃあないか。
DIOはもっと警戒しなければならなかったのだ。
ちなみにOVAでは
承太郎ははじめのうちは止まった時を知覚しておらず
無意識のうちにスタープラチナだけが反応していた。
成長の段階が分かりやすい演出だ。
致命傷に見えた承太郎、
このまま「死んだふり」でやり過ごし、チャンスを狙うつもりなのに
首を起こして傷の確認をしたり帽子をかぶり直したらダメだろ。
DIOもなんでそれを見ていないんだ・・・と思ったら
すごい土埃で見えていないのかwww
以前、当時のルクソールの道路が未舗装である可能性について触れたが
だったら、タイル貼りの歩道ではなく、車道に墜落させればいいのにな。
苦労して死んだふりをして、
決して油断したのではなく、念を入れてとどめを刺しに近寄ったDIOを
脳天一撃! 頭蓋骨にハートwww
おっと、犬歯がおかしいぞ
OVA版では
DIOはポルナレフの存在に気づいていない。
そのため、ポルナレフの奇襲に驚いたその瞬間に
スタープラチナはようやくDIOに拳を叩き込めたのだ。
原作ではポルナレフの乱入が、あまりよい方向へ働かず
逆に承太郎を窮地に追い詰めたとも言えるので
ポルナレフの生存に意味を持たせるいい改変となっている。
脳を破壊され身体の自由がままならない。
あの場所へ、あの場所へ行きさえすれば・・・
見よ!このブザマな敵の姿を
DIOは敵に背を向け、地面をなめながら、逃げ出している!
だが!
だからといってDIOがこの物語の「悪のカリスマ」の地位を失いはしない!
なぜなら・・・!
かかったな承太郎! これが我が「逃走経路」
ジョセフ・ジョースターの血を吸うための「逃走経路」だ!
まぎれもない強敵!
「悪のカリスマ」の地位を失うとすれば、
DIOが闘う意志をなくした時だけなのだ!!
次回:遥かなる旅路 さらば友よ